

空想感覚だった目標が現実味を帯び、
社員から具体的な意見が出る組織へ
株式会社ウィングスマルコー
代表取締役豊永月生 氏
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ー事業内容ついて教えてください。
弊社は現在メール便が主力業務の会社ですが、元々はトラック1台で荷物を運ばせていただいていました。荷物をお預かりし届ける業務の中で、「文章も一緒に届けてくれないか」というお客様の声からこのメール便事業が生まれました。私の考え方としましては、物流は単なる運送屋ではなく、サービス業に近いと考えています。お客様の想いも一緒にお預かりするので、プロとしてお客様にアドバイスもさせていただきお仕事をいただくというスタイルで信頼を得ることができていると考えています。
ー御社の魅力は何ですか?
弊社の物流に携わっている従業員は、運送ドライバーというよりもお客様との窓口としての認識が強く、人柄も非常に良いと自負しています。なおかつ会社が京都の上京区という地域にあり、京都の中ではブランドエリアのイメージが強い地域にある事から、京都の上京区で商売をしているというプライドも持っています。
ーすごい会議導入前はどんな課題がありましたか?
3年前に五健堂グループに加入した際、当時の経営陣が辞めてしまったことにより、当時総務の部長をしていた私が社長に就任する事になりました。「平たく言えば、経営に関わって来ておらず、右も左も分からないまま“やれ”と言われて社長に就任したというのが正直な所です。」弊社は物流とはまた違った特色を持っていますので、五健堂グループからアドバイザーを出してもらう事も難しい状況でした。私自身経営に携わっていなかったので、自分たちで会社を経営していく為に必要な知識や手法を学ぶというのが最初の大きな課題でした。そこで今のボスにお勧めいただいたのが「すごい会議」です。小さな会社でずっとやってきましたので、その中の事でしか知らないことが多く判断材料や選択肢が少ない状況で会議をしてきました。どんな会議やミーティングを長時間してもやり方が拙い為、結局は改善や結論に至っていませんでした。与えられた仕事を自分のやり方でこなしていく、というスタイルを好む人が多く集まっている職種かと思いますので、業務上個別に仕事を進めていくことが多く、皆コミュニケーションも上手ではありませんでした。「すごい会議」を導入し会議を重ねたことによって、集団で一緒に戦っているという自覚が身についてきているという実感があります。皆の気持ちの変化に私自身すごく助けられ、「すごい会議」の手法に感銘を受けました。

ー導入して変わったことは何ですか?
皆の気持ちと意識の変化を実感しています。上層部が抜けてしまった後、私が社長となり今まで一緒に業務をしていたメンバーと上下関係ができました。最初は「偉そうに言いやがって」という反発が少なからずあったのも事実です。外部の方が社内に入って来てくれたことにより、世間の常識を周知することができ、「こんな風にやっていかないといけない」という指針が生まれました。以前は、皆「業務が回ればいい」「自分の意思を貫きたい」という考え方が強かったのですが、自分の役割はどこにあるのかなど、意識の変化が感じられていることが、この1年少しで感じた「すごい会議」導入して起きた変化だと思います。また、今でもよく指摘を受けますが「まずは結論から」伝えるということです。私はどうしても前振りが長くなってしまうので、要点がぶれてしまっていました。今はこのように指摘をしてもらえる機会も無くなってしまっている事や、指摘をしても反発し合い話し合いにならないという事が問題点だと気づきました。お互い納得ができていなかった事が原因ですが、聞く側に視点を置きなさいという基本的なことを教えていただいたことが印象に残っています。まず結論から伝え、言いたいことを明確化するという伝え方を意識しながら今は進めています。
ーメンバーの発言はどう変わりましたか?
今までの会議では、一人一人が意見を自発的に発言するという事がありませんでした。上司の言いたいことを言わせる場という風潮でしたが、今は皆が意見を言い合える会議に成長していると実感しています。発言が変わった。というよりは自分の意見や考えを発言するという意識が根付いているという変化が大きいです。また、会社の幹部として、社長としてやらなければいけないことを、教わっています。「すごい会議」では会議を進める上でのルールや手順、方法をきっちり教えてもっているので、以前とは違い同じ内容の話をしていても前に進む話し合いができていると実感しています。私の中ですごくプラスになっている変化です。
すごい会議の前日は気になって眠れないというほど緊張しているメンバーも居ましたが、今はいい意味でほぐれて眠れているようです(笑)会議前には報告する内容をまとめたり、質問に答える事ができるよう事前準備をしています。数字の把握に意識が定期的に向いているのはいい習慣だと感じています。そして1番大きなメンバーの変化は、最初は目標に対して空想を見せられているような、現実味のない感覚だったようですが、目標をリアルにイメージできているので具体的な意見も出てくるようになりました。
ー印象に残っているエピソードは何ですか?
今まで、皆が私に面と向かって言えなかった不平不満を初日に聞き、1番落ち込みました。
もう辞めようかなと思うくらい。(笑)私自身、経営も分からないまま社長という立場になり、必死になっていた部分もあったので、自分のやってきた事を否定されたような思いになりとても辛かったです。でも「あの場」があったからこそ今があると思えますし、ここまで本心でぶつかり合える場は自分では作れないので、人の思っている事を口に出して伝えてもらう姿勢を学べたことは私の中で大きいです。想いを伝え合う場を提供してもらえて良かったと思っています。「すごい会議」を導入して1年半ですが、問題点にしっかりスポットライトを当てて話し合いができるようになっています。システムやルール作りだけでなく、客観的に自分を見つめるという思考が根付いています。自分が当事者だとどうしても熱くなって周りが見えなくなり、今の状況を正しく判断できず独りよがりになってしまう、という事が起きていました。外部の方に入っていただくメリットは、少し距離を置いた目線で客観的にアドバイスをくださり、自分のコントロールにも繋がっています。会議の手法が身に付いた後も必要な存在だと考えています。
ー鈴木智大はどんな人物ですか?
私にとって良き相談相手で、常にパワーを与えてくれる存在です。悩みを投げかけても、「こうしなさい」という指示ではなく頭の中が整理できるように導いてくれています。話をしっかり聞いてくださり、その上で今自分がしたいことを見つめさせてくれるので、方向性をしっかりと見定めることができています。私は片方のことに集中してしまうと全体が見えなくなってしまうこともありますが、そこを引き戻していただけて、自分の中でまとまりきっていない想いのゴールを想像させてくれます。私は自分に自信がなく頭で考えてしまうタイプで、ふとした時に不安になってしまうこともありますが、お話をさせていただくだけで今するべき事を明確化できています。経営者として、寄り添ってくれる存在、気づきを与えてくれる存在はすごくありがたく感じています。
ーこれからの御社のビジョンは?
「すごい会議」を導入してから今までは、会社のベースとなる部分を作ってきました。来年に向けてのビジョンは、このベースを生かして売り上げを伸ばし、会社の発展に繋げていくという方向にシフトして行ける組織を仕上げていく事です。会社が社会的に成長し、幹部が抜けても会社が揺らぐような事が起きないよう、ベースをしっかり私の代で作り上げていきたいです。

Day 2022年12月16日